“バーチャル”なのに”実写化”する意義

初配信の時にうまくまとまらなかったので此方で改めて、何故「バーチャルYouTuber(以下Vtuberと呼称)」なのに「実写化」という選択肢を取ったのか、その動機について書いていこうと思います。

一部で「Vtuberを名乗ってるのにリアルばかりで配信するならもうVtuberでない」等とおっしゃる方がいらっしゃいますがこれは全く心外です。
先ず結論から申し上げると、私は「Vtuber」でもあるし「リアルライバー」でもある存在であり、臨機応変にその形態を変えて活動するのが赤井このはSeaoson.2以降のスタイルです。(その為SNS上のプロフィールからも「Vtuber」という文言は極力削除しています)

ではなぜ今回このような形態を採ろうかと思ったのかと言うと、主な理由は2つあります。

一つは、「バーチャルで実現できることには限界がある」ということ。
特にLive2Dで活動している身としては、この形態で出来ることといえばゲーム実況かラジオ配信かくらいで、私のようにリアルでの活動に比重を置いていると、なんとかうまく合わせようとしても取ってつけたような印象の映像しか撮れないなと思っていました。加えて、正直なところ、大手プロダクションが主催するライブやリアルイベント等を見ても凡そスクリーンかモニターにキャラクターを映すという形が殆どであり、個人的にあまり臨場感というのは感じませんでした。今の技術ではこれが精一杯とはいえ、「それならネット配信で良かったんじゃ…」とすら思ってます。
私も一時期は「バーチャル」というコンテンツに対し可能性を感じていました…いや、今もある程度は感じていますが、それこそ私がVtuberを始めた頃はどこか過信していました。
如何にバーチャルといえどもできることには技術的な限界がある。技術の進歩でこの先もっとできることは増えてくるかもしれませんが、現状はまだまだ発展途上であるが故、制約が強いのかなと思います。
現状のバーチャルの弱点を補う為に「バーチャルでの姿を現実の世界に落とし込む術」が必要だと感じ、今回「実写化」によってアプローチを増やそうと考えた次第です。

もう一つは、「なりたい自分の姿でいたい」ということ。
実を言うと、これこそが”実写版のすがた”を作ろうと思った最大の動機です。
そもそもの話、私は心のどこかで自分の本来の性とは違う性として生きることに対する憧れのような感情がありました。過去に一度、女装という形でそれをやってみようとしたこともあったのですが、自分一人の力ではどうにもならず…かと言って、その話ができる人間が周りにいるかと言われるとそういうわけでは無かったので結局諦めていました。
そんな中でVtuberというコンテンツを知り、(当初こそニコニコでの実況動画が下火になっていたことから生き残りをかけて界隈に飛び込んだという不純な動機でしたが)「衣笠このは(=赤井このはの前身)」というバーチャルでの狐耳の女の子として活動していく中で、一時諦めていた、性に対する想いが再燃するようになりました。私自身、元々絵が描けるので自分の理想としてる姿を描き起こすこと自体は容易で、過去に女装していた頃に比べてはるかに難易度は低く、過去に私にとってはそれはとても魅力的なコンテンツでした。強いて言えば「声」だけはどうにもならなかったので、ボイチェンを使ってみたり音声認識に頼ってみたり試行錯誤して今日に至っています。
しかし、ここ数ヶ月くらいの話になりますが、「パソコン(=バーチャル)からちょっと目を離してみれば結局元の自分じゃないか」と思うようになりました。昔と違って今は男性としての自分も許容できるようにはなりましたが、「やっぱりなんかこれじゃないな」と。そんな中で知ったのが昔から仲良くさせてもらっていたVtuberの方が提唱していた「2.5次元Vtuber」という概念でした。
「Vtuberとしての名前や姿はバーチャルの中だけの存在でなければならない」という固定観念に支配されていた私にとっては目から鱗であり、実際にその方がリアルで活動されている様子は私の目には新鮮に映りました。なりたい姿を実現する手段がバーチャルの中にしかないということはなく、時には次元すら超えるという選択肢もまた正解なのだと思うようになりました。かくして多くの方からの助言を受け、先の配信でお披露目した”実写版のすがた”が出来上がりました。初挑戦だったこともあり失敗した箇所もありましたが、クオリティには満足しています。その時鏡に映っていたのは、自分がなりたいと願っていた姿なのですから。

今までは、「なりたい自分になる」ことを目的にするならば「Vtuber」がそのゴールだと思ってました。しかし今は寧ろ「Vtuber」というコンテンツは通過点でしかなく、その先に「実写化」という形のゴールがあるのだと思っています。Vtuberのメリットは「肉体を含めて簡単に姿を作り変えることができる」ことです。勿論ある程度の技術と作業時間は要しますが、リアルで同じことを実行する場合の比では無いでしょう。そういう点で、Vtuberは「なりたい姿を実現するための予行練習、或いは実験の段階」ではないかと考えてます。バーチャルの世界で試行錯誤を重ね、なりたい自分の姿がはっきりしてきたところでリアルの世界にその姿を作り出す。これが新しい自己実現の形なのだと思っています。

今の私は、リアルの世界でも「狐耳の女の子」でありたいという、実現したい自分の姿がはっきりしています。Vtuberとして活動する中で吸収したノウハウをフル活用してリアルの世界に”実写版のすがた”として本当に狐耳の女の子を作り出したモデルケースの一つとして、今後「赤井このはSeason.2」の活動の中で、自己実現のあり方に悩む人の道標になればと思っています。

…とはいえ、実際にやってみると下準備が大変です。(メイクだけで10~40分くらいかかります)突発的に配信しようと思っても、”実写版のすがた”オンリーでは到底回しきれません。
その時の思い付きで配信しよう!と思い立って、ソフト1つで簡単に変身できる点では依然としてバーチャルというコンテンツの強みなので、今後はリアルとバーチャルを臨機応変に使い分けていこうと決めた所存です。

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